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マッケンジー法

脊柱管狭窄症に対してのマッケンジー法

目次

本当に手術が必要なケースは稀
脊柱管狭窄症の手術の予後
脊柱管狭窄症による痺れが減少した事例
腰を反らしても良い? いくつかの固定観念

 

 

腰部脊椎管狭窄症(Lumber spiral Canal Stenosis 略して“lcs”や“lss”)は誰でもかかる可能性のある病気です。

間欠性跛行で歩きにくい人

 

特徴的な症状として「間欠性跛行」が挙げられ、ある程度の距離を歩くと特に下肢(太股から足まで)にしびれ・痛みが発生し、それ以上歩くことが出来なくなりますが、しゃがんだり前かがみの状態になることで改善し、また歩くことが出来るようになります。

 

特に思い当たる原因なく徐々に足先のしびれ感を覚えるようになって、整形外科で診て貰ったところ腰部脊柱管狭窄症と診断され、血流を良くする薬をもらっているが、あまり効いた感じがない。という方も多いのではないでしょうか。

 

 

本当に手術が必要なケースは稀

内視鏡手術

腰椎部位で変形した関節などの骨・厚くなってしまった靱帯など、様々な原因によって神経根または硬膜管が圧迫されることにより、下肢のしびれ・疼痛などをおこしますが、本来脊柱の狭窄はほぼ誰にでもあるものです。

 

 

ほとんどが無症状な脊柱管の狭窄

Wakayama Spine Study 2012(地元和歌山を母体としたコホート研究)から興味深い結果がでています。平均年齢65歳の1000名程の和歌山の地元住民が対象となった、腰部脊柱管狭窄症の有病率の調査です。

コホート研究とは・・・研究対象とする病気にかかっていない人を大勢集め、将来にわたって長期間観察し追跡を続けることで、ある要因の有無が、病気の発生または予防に関係しているかを調査する手法。

 

変性椎間板の有病率、50歳以上で90%超:Wakayama Spine Study

 これまで、一般地域住民を対象に全脊柱レベルでMRIを撮像し変性椎間板の分布や有病率などについて調べた報告はなかった。

和歌山県立医科大学の寺口 真年氏、同講師・橋爪 洋氏、同主任教授・吉田 宗人氏らは、初めてこの課題に取り組み、その結果、変性椎間板の有病率は非常に高く、頚椎、胸椎および腰椎の各部位で椎間板変性はそれぞれC5/6、T6/7およびL4/5に最も多く分布していることを明らかにした。Osteoarthritis and Cartilage誌2014年1月号(オンライン版2013年12月5日号)の掲載報告。

 研究グループは、MRIを用い全脊柱における変性椎間板の分布と有病率、ならびにその関連因子などについて調べた。

 対象は、Wakayama Spine Studyに参加した21~97歳の一般住民975例(男性:324例、平均67.2歳/女性:651例、平均66.6歳)である。

 

摘要(英文):https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/22796511

 

この調査の結果、画像所見で狭窄が認められ症状も有する人は約10%です。

 

高齢者の約9割はMRIで中等度以上の狭窄が認められますが、その殆どは無症状の狭窄であり、痺れや痛みを感じる人は約10%でしかありません。

その10人に1人の症候性LCSと診断された患者さんは、「画像上の狭窄」と「症状」がどれほど関連があるのでしょうか。

 

※激しい痛みや歩けないほどの痺れ、感覚障害など急激な症状の変化を感じた場合など、早急に手術を検討すべきケースもあります。

 

脊柱管狭窄症の手術の予後

再発する割合については色々な意見がありますが、国内外の症例をまとめた信頼性の高いデータでは以下の様に記載されています。  

 

詳細は添付のURLご参照下さい。

以下、腰部脊柱管狭窄症診療ガイドライン 2011より

Clinical Question 17 

腰部脊柱管狭窄症に対する手術治療の長期成績(4年以上)はどのようなものか?

 

【Grade C】 
腰部脊柱管狭窄症に対する手術治療の長期成績は,4〜5年の経過では総じて患者の70〜80%において良好であるが,それ以上長期になると低下することがある

参照URL⇒  ガイドラインライブラリ

 

2~3割の人は手術したけど経過に満足できていないというのと、5年を超える頃から手術の効果が落ちる例がある様です。私の叔母は10年ほど前に手術をしまして、その後の経過は良好で「手術をして良かった」と言っていますが、何度か再発して、複数回手術をするも痺れが残ったままの方も実際いらっしゃいます。

耐えられない程の症状が出なければ、手術は推奨しない。というのが現時点での一般的なスタンスです。

 

 

ただ、脊柱管狭窄症においては、ある日突然、急に歩けないくらい痺れて痛い。という事はまずありません。

実際、何年間も足に痺れがある状態が続いていて、ずっと腰を反らさない様に生活してこられた方が、数分間うつ伏せになっただけで足の痺れが減少した。という様な例がたくさんありますので、そのうちの一つを紹介したいと思います。

 

 

脊柱管狭窄症による痺れが減少した事例

評価の基準となる、立位での両前足部のしびれを10/10としてスタートしました。
腰の屈曲は中等度の制限があり、しびれ11/10に僅かに増すようです。

 

伸展は重度に制限されていますが、立位で腰を出来る範囲で反らしてもらうと、しびれは8/10と若干の改善感がみられます。

問診の内容から伸展を続けていきます。

「狭窄症で腰を反らしていいの?」という思われる方も多いと思いますが、マッケンジー法ではメカニカルな負荷に対する反応を基準に考えていきます。

 

最初はまずうつ伏せになっていただきます。

 

普段うつ伏せにならないような方は、おなかの下にクッションを入れたりなどして段階を経て背中をまっすぐに近づけていきます。

 

変化は時間をかけて、徐々にです。

 

その方は、たったそれだけで立位でのしびれ感が半分程に減少。

 

 

次は、肘を立てて身体を支える状態に移行します。

もうしばらくうつ伏せ寝から肘で状態を支えたポジションを持続して貰う事で、しびれ感は2/10まで改善。

 

このように、病院で「しびれは治らない」と言われたけれど、実際にはしびれがその場で改善する例は多くあります。

本当に治らないのかは、実際に動かしてみないとわかりません。

 

 

腰を反らせても良い? いくつかの固定観念

脊柱管狭窄症の方は、「絶対背中を反らせたら駄目!!」 と思われていませんか。

 

また、「痛みはマシになっても、しびれは無くならない」と思い込んでいませんか?

実際、反らせたら痺れが強くなるんだし、反らせると脊柱の中が狭くなるので反らせるのは良くないはず。

 

何より、お医者さんもそう言っている。その上で反らして悪くなったらどうするの? と考えると思います。

 

思い込み

 

勿論、反らして悪化する場合もあり、全てに当てはまる訳ではありませんが、実際に反らすという刺激によって改善するケースも多数あります(強引に反らすのはNG)

 

また、背中が反らした方が良い方においても、とにかく背中を反らせていけば良い訳ではありません。

 

普段の生活で反る事を避けている方は、先述の方の様に、まずうつ伏せに突っ伏して力を抜くだけでも大丈夫です。それで状態を確認しながら、少しずつ角度をつけて、肘を立てて上体だけ起こしていってみてください。その姿勢が苦しいなら、おなかの下に座布団を丸めて入れれば反る負担は少なくなります。

※あくまで徐々にです。 また、反らしている最中に感じる痛みやしびれが、反らせる姿勢を止めてもずっと続くようであれば控えて下さい。

 

痛みやしびれを必要以上に恐れないでください!!

 

動かしている時に、ちょっと痺れが強くなったりしても、反らすのを止めると元に戻るのであれば全く恐れる必要はありません。息を止めてしばらくそのままにすると息苦しくなりますが、呼吸をするとすぐ楽になるのと同じ感じです。息を止める



※今回は反らすことで良くなった例を取り上げましたが、必ず腰を反らす動作が良いとは限りませんのでご注意ください。

動かすことで良くなる可能性があるのなら、試してみたい。と感じた方は、是非マッケンジー法についてお問い合わせください。

 

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