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講習・講演会

「日本の慢性痛医療の未来」市民公開講座

ー慢性疼痛対策の現状と課題ー

平成30年2月18日JPタワー名古屋で開催されましたセミナーに参加してきました。

 

共催
認定NPO法人 いたみ医学研究情報センター
難治性疼痛患者支援協会 ぐっどばいペイン
慢性の痛み政策研究事業

セミナー開催風景

衆議院議員 野田聖子総務大臣も講演されていました。

進む少子高齢化の中で、国からの予算を確保するために必要なこと、困難さや取組について。また「慢性の痛み対策議員連盟会長」として慢性痛対策をライフワークに取組んでいくとのお話でした。
今後の活動に期待・注目します!!

 

 

以下、慢性痛に対して

・井関雅子先生 順天堂大学医学部 麻酔科学・ペインクリニック講座教授
・松原貴子先生 日本福祉大学健康科学部リハビリテーション学科教授

ご両名の講義の内容を自身の覚書を兼ねて纏めています。

※講演中は撮影禁止でしたので資料や風景はありません。
また、講義内容を網羅したものではなく、かなり簡略化して自分なりの解釈を加えている箇所もございます点、ご容赦ください。

 

目次
・知らなかった国の慢性痛への取り組み ←重要!!
慢性的に痛みを抱えている人のメカニズム
痛みを感じにくくする主役たち
運動は全身の鎮痛薬!!
動かないと感覚・運動神経は鈍くなるが、痛みには過敏になる。
習慣にない運動は、痛みを抑える効果を得にくい!?
まとめ
 

 

知らなかった国の慢性痛への取り組み

いきなりハイライトです。「文章長いわ!!」と思う前に、ここだけでも読んで下さい!!

 

ご紹介するのは僕がこの講座がある事を知ったサイトで、疼痛患者と医師、その他多くの医療専門家の充分な議論の上で作られたものです。

最新の科学的研究の成果をまとめており、動画も添付されています。
関連リンクが沢山でそれぞれ有用な内容ですが、まずはこの動画を覗いてみてください。

難治性疼痛患者支援協会 ぐっどばいペイン ウェブサイト

慢性痛の取り組みに熱心なオーストラリア政府が作った動画なども載っています。

患者の年齢・性別も様々で、慢性痛は何も高齢の方だけの問題ではないことが良くわかります。

 

 

慢性的に痛みを抱えている人のメカニズム

ニューロン 神経細胞

組織に問題はない、もしくは原因がわからず痛みを強く感じる人には大きく2つのパターンがあります。

 

→過敏になっているか、痛みを抑え込む能力が低下しているか

 

 

気分的な辛さと、身体的な痛みは密接に関係しています。
脳にある「身体的な痛み」を感じる分野と「精神的な苦痛」を感じる分野がほぼ同じところにあるため、一方の刺激であっても、同様の刺激として受け取ってしまう様です。

 

痛みを感じにくくする主役たち

ハッピーホルモン ってご存知でしたか? 肉ちゃいまっせ。
僕は知りませんでした。脳内伝達物質

  • オキシトシン
  • ドーパミン
  • セロトニン

いずれも体内で生成できるもので、この神経伝達物質をドバドバ分泌できれば、痛みも感じにくくなります。


オキシトシンは、幸福感。一家団欒で幸せな家族
主に恋人・家族・ペットとのスキンシップで得られる。
「嬉しい!」「感動した!」「親切にする、される」といった感情で分泌。


ドーパミンは、報酬系。賭け事をして興奮している人々
良くも悪くも行動に駆り立てるために必要なホルモンで、
「人生を楽しんでいる時」や「理想の状況に向かって励んでいる時」に出てくる。「快感・興奮する事を予感している最中」に分泌されるという事で、期待感によってもたらされます。
ギャンブルなんかコレ


セロトニンは、気持ちを穏やかにさせるホルモンでリラックスして穏やかな状態
朝日を浴びたり、リズミカルな運動をしたり、前駆体であるトリプトファンが含まれる食品(乳製品、大豆製品、バナナや赤身肉など)を食べるといった生活習慣も有効。

 

 

運動は全身の鎮痛薬!!

お年寄りの簡単な運動

ランナーズハイに代表される様に、運動中は痛みを感じにくくなる事が出来ます。

 

でも、そんな激しい運動をしなくても痛みを抑える効果が確認されています。

また、痛めている部分そのものを動かさなくても、鎮痛効果を得る事が出来ます。

 

例えば、手や肩を痛めていたとしても、歩いたり下半身を使う事運動で、上半身の鎮痛効果も得れるという事!

 

運動すると、動かしたところの鎮痛効果が一番大きい事は事実ですが、動かさなかったところにも効果があります。
※無理に痛いところを無理して動かす必要はありません。

 

動かないと感覚・運動神経は鈍くなるが、痛みには過敏になる。

痛みを感じている女性

 

寝起きは味覚が鋭く感じられませんか?
刺激が入ってこない状態が続くと、久々に感じた刺激に対して強く感じる様になります。

痛いからといって動かさないでいると、神経はさらに敏感に痛みの刺激を感じ取ります。

 

 

習慣にない運動は、痛みを抑える効果を得にくい!?

 

喜んで走る犬フェレット

 

 

 

 


これ、興味深いです。
データは犬とフェレットのお話ですので、参考までに。

 

実験をしたところ、犬は、走った後は感じている痛みが減るそうです。
でも、走るという習慣がないフェレットを走らせても減らない。

 

つまり、慣れない運動をするより、例えば「歩く」といった日頃から行っている運動
の方が、痛みを減らせらるかもしれない。という事です。
※あくまで「痛みを減らすという点において」の話で、筋肉を増やしたり脳を活性化するという意味では慣れない運動も十分意味があるという事は付け加えておきます。

 

まとめ

足を骨折した女性今回講演された井関先生も、最近ご自身で足の骨折を経験され、治癒の過程での不自由で辛かった体験をお話されていました。

その中で改めて「動かす事の大切さ」を感じ
結局、解決方法は「自分で動かしていく事でしかない!!」
と決意されたそうです。

 

今わかっている、最も安全で、費用も要らず、万人に効果のある改善法は「動くこと」です。
少しでも、その気になった時だけでも、少し寒い中着替えて散歩に出かけてみましょう。

外に出るのが億劫なら、スクワットでも。爪先立ちでも。 思いついたその時に。 
どこでやるの? 居間でしょ!!

 

今回、共催されている団体は、非営利の任意団体です。

痛みの治療の現場に携わる方々がチームとなって、国の機関を巻き込んで、正しい知識を広め、あるべき治療の姿を示していくために努力されています。

自分たちに出来る事は、まずその活動を知ろうとすることだと思いました。

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