健康・身体の事
本当に筋肉をつければ腰痛は治るのか??
おい、俺の筋肉!!
おいおい、俺の筋肉!!
やるのかい?
やらないのかい?
どっちなんだい?
という事で、筋肉のお話です。
腰痛になるのは、筋肉が衰えているから??
結構聞いたことないですか? 高齢の方は病院で言われたりしてないですか?
これ、本当なのでしょうか?
なんとなく間違ってはなさそうな気がします。 でも、正確な表現でもない。。
筋肉をつければ、身体に良いことはたくさんあります。
・筋肉は熱を生み出すので、基礎体温が上がって免疫も上がる。
・成長ホルモンが出て、お肌にツヤも出るし若返る。
・痩せやすくなり、自律神経も整って睡眠が深くなる。
・運動することでリフレッシュできて、気持ちも前向きになる…etc。
健康には良いのです。間違いなく。
でも、健康に良いのと、痛い・痛くない。は別の話。イコールではありません。
ちょっと周りを見渡してみてください。
全く運動していない痩せた人(筋肉の少ない人)はみんな腰痛か?ガリガリで運動を全くしていなくても、痛みなく元気に暮らしている人はいくらでもいます。
筋骨隆々の人や、ケガしない様に毎日トレーニングしているアスリートなら腰痛が無いのか?
※厳密にいうと、性別、年齢、体重、アウターマッスルとインナーマッスルの割合、体脂肪率等で、見た目と筋肉の有無の認識は違ってきますが、ここでは一旦置いておきます。
「腰痛です」「痛いです」って言っている人に焦点をあてて考えてしまいますが、そうでない人にも目を向ける必要があります。
ちなみに、僕はタクシーに乗る時、運転手さんに必ず「腰痛ないですか?」と聞くのですが、3割くらいの確率で「ないよ」と答えられました。
ほぼ座りっぱなしのタクシーの運転手さんは、殆どの人が腰痛持ちだと勝手に思い込んでいたので、凄く意外な結果でした。
※何百人と聞いているわけでないので、あくまで個人の私感です。
運動選手だったら腰痛じゃないの?
正しい姿勢を維持するために
インナーマッスルが大事!!
と良く聞きます。
多裂筋や大腰筋と言われるインナーマッスルは姿勢を維持したり、軸を安定させるために重要な筋肉で、これらをトレーニングすることで腰痛を予防・軽減させるという内容を良く見かけます。
プロ選手、いわゆるアスリートと言われる人は身体が資本なので、トレーナーや栄養士の指導の基、入念にインナーマッスル、アウターマッスルの両方をバランス良く鍛えている人は多いです。
それでも腰痛(ぎっくり腰含む)に悩まされている人は、ごまんといます。
競技生活が長ければ長いほど身体を酷使するので、どこかにケガを抱えている事が普通なのかもしれませんが、ケガをリハビリで治して、組織自体の損傷が無くなって筋肉を回復させても、慢性的な腰痛から抜け出せない人もたくさんいるのです。
慢性腰痛に運動療法が有効という高いエビデンスはある!!
運動療法の種類も様々。最適な運動量・頻度・期間についても諸説あるため、明確に言える事は限られますが、以下の内容は Grade A「強い根拠に基づいており強く推奨する」として位置付けられています。
・急性期の腰痛に対する運動療法については、運動の種類に左右されず、機能障害、就労、痛みの程度に差はなかった
・慢性腰痛に関しては痛みや機能障害の改善に効果があり、職場復帰率を増やす。
(腰痛診療ガイドライン P48 Clinical Question 11 腰痛に運動療法は有効か 参照)
運動=筋肉増強ではなく、刺激と考える
運動というのは、筋肉への刺激とも言えます。
例えば、ラジオ体操も立派な運動ですが、ラジオ体操を何十年も続けていれば明らかに筋肉量が増えているかとなると不明です。※やらないよりか勿論良いです。 ここで言うのは、マッチョな筋肉はつかないという事。
筋肉を分厚くするためには、一定以上の強い負荷による破壊と再生。蛋白質が必要となりますが、ラジオ体操などは当てはまりません。
※ここで説明している「運動」は「トレーニング」を意味しません。
●まとめ
「運動は、ぎっくり腰やスポーツで痛めたような急性の腰痛に即時的な効果はないが、
長期的な腰痛に対しては強く勧められるものである」と言えます。
痛みの軽減・予防の観点からいうと、「動かせる」という神経レベルでの刺激がより重要であり、「筋肉をつけるためのトレーニング」いわゆるマッチョな分厚い筋肉、インナーを鍛えての強い筋肉は必要ありません。
必要なのは、「日々の適度な負荷」
運動の種類と頻度について、もうちょっと掘り下げたものを別の機会にアップします。
次回は、姿勢と腰痛の影響について。です!!